肩が痛い。同級生が四十肩だの五十肩だの言っているのを横目で見てこっそり笑っていて、「私は体も肩関節も柔らかいもんね」と逃げ切れると思っていたのが、なんと六十肩も七十肩もあるそうだ。
やだ、そうならそう言ってよ。
六十歳の誕生日を迎えた月末頃からなんとなく怪しくなって、ひゃひゃぁ、どんどん痛くなってきたぞ。
紛らわしい病気もあるとのことで、念のため整形外科で診ていただいた。六十肩だった(泣)。「湿布しても治りが早まるわけではありません、痛くても動かした方がいいです」と言われて「じゃあ、湿布は要りません。ジムでフロアレッスンに出てる時にできる範囲で動かすようにします」って雄々しく帰ってきて数か月が経った。
こんな風に痛かったお友達を、こっそり笑ってたなんて性格わるぅい。
おまけにジムもCOVID-19のせいで行かなくなると、痛いのに頑張って動かす機会もなくなって。←こんなに痛いのに自分一人で努力なんてするわけないじゃんか。
で、日に日に可動域も狭くなる。髪を結うのと洗濯物を竿に干すのは、今のところ辛うじてできる。困るのが、ブラジャーの後ろのホックが留められないこと、右側を下にした(仰臥位でも肩に力がかかるような)体勢では眠れないこと、寝返りを打ったり起き上がる時に痛いこと。
そんな訳で「痛いよ」と思う回数は多くはないものの、決して良くなってはいない。痛みの放物線の 接線の傾きは緩やかになっているかもしれないけど、まだ頂点に達してはいない感じ。先は長そう。
これ、1年近く経って 痛くなくなったとしても、今度は可動域を戻すのが大変だろうなあ。ひょっとして、その時がまた痛いんじゃないの?
小学生の時に左肘の骨にヒビが入って、しばらくしてたギプスを外した後のリハビリがきつかった。理学療法士の方が 温めた肘関節を少しずつ「きゅいぃいいん」て曲げていくと、痛くて涙が出てた。泣かないとチョコが貰えるくらいに痛かった。
だけど、リハビリしないと、いつまでもおなかの上でブラジャーのホックを留めてから後ろに回すことになる。今そうしてるけど、我ながらババくさくて(涙)。
1985年の村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」561頁では
手を背中に回した。ホックはなかった。「前よ」と彼女は言った。世界はたしかに進化しているのだ。
ということだった。
残念ながら、諸般の事情により、その進化は今は停滞しているというか、逆戻り傾向らしい。